診療を再開してまもなく1ヶ月になります。
6月からは9時半から17時半まで診療を延長しており、感染予防対策の時間を確保した上で、診療枠を拡大しました。
治療もメンテナンスクリーニングも可能です。
さて、巷で噂される歯科治療では新型コロナウィルスなどの感染症にかかりやすいということは本当でしょうか?
私たち歯科医は、医療従事者として、従来から最近やウィルスを正しく怖がり、向き合ってきました。歯科医院は、その性質上、患者さんの唾液や血液などが飛散しやすい環境になります。そして、感染予防対策としては従来のスタンダードプリコーション(標準予防策)に加えての対策を行うことで感染のリスクを十分に下げることが出来ると考えています。
スタンダードプリコーション
すべての血液と血液が混入している 可能性のある体液はすべて感染性物質として取り扱われるべきであると 定義された概念から、いかなる人であっても、常に万全の感染予防対策を取ることです。
歯科医院での感染リスクにはどのようなことがあるのか?
私たちが治療で歯を削ったり、超音波で歯石をとったりする際に唾液、水、歯の切削片、細菌、ウイルスなどを含んだ飛沫やエアロゾル(空気中の液体または固体の粒子)が発生します。
エアロゾルを防ぐためには?
・エアロゾルを極力飛散させない
・浮遊しているものは換気する
・飛散したものは拭き取る (飛沫)
上記の対策をとる事でエアロゾルによる感染のリスクを下げる事ができます。
治療中以外の患者さんのエアロゾルが浮遊していれば別ですが、極力飛散をを防ぎ、換気を行うことで浮遊しているエアロゾルは消失すると考えられます。そのため口を開けていても、エアロゾルを吸うことに対策ができます。
歯科医院で行うコロナウィルス感染予防
スタッフと患者さんへの取り組み
・スタッフの健康管理-
十分な栄養と睡眠、3密を避けた行動、検温
・来院患者さんの体調管理-
検温、問診、手洗い消毒でウイルスの持ち込みを減らす。
・患者さんの口腔清掃励行-
患者さんのプラークコントールで口腔内の細菌数が減らすことが出来る。
プラークが多い口内はウイルスを取り込みやすくなる。
・術前の口内洗浄-
うがい薬(過酸化水素水の希釈)で口内のコロナウイルスは有意に減少、飛散するウイルス量も減少する。
プラークコントール(歯磨き)が不良の場合は術前に術者磨きを行う。
・スタッフが感染を広げないための予防策-
頻回な手洗い(手指~肘まで)
キャップ(帽子)、マスクを患者さん毎に交換
グローブは15~30分で交換
治療着は午前午後で交換
・消毒が難しい器材など極力ディスポーザブル製品を使用(コップ、エプロン、吸引器、エアーノズルなど)
・口内に入る器材はディスポーザブルかすべて患者さん毎に消毒滅菌を行う
治療環境
・完全個室で隣の診療台からエアロゾルが飛ぶことはない。
・各部屋に空気清浄機を設置、患者さん毎、または常時の換気を行っています。
・治療器具はクラスBの高圧蒸気滅菌器を使用、患者さん毎に個包装した状態で滅菌。
・消毒が難しい器材など極力ディスポーザブル製品を使用(コップ、エプロン、吸引器、エアーノズルなど)
・口内に入る器材はディスポーザブルかすべて患者さん毎に消毒滅菌を行う。
まとめ
コロナウイルス感染症はまだわかっていないことも多く、何をしたら完璧ということはありません。
しかしながら、口内は歯周病や磨き残しが多い場合はウイルスへの感染が起きやすい状況になりますし口内のお手入れが疎かになるとリスクは高くなると考えられます。
様々な細菌やウイルスからの感染リスクをコントロールしてみなさんの口内の健康、ひいてはお体の健康に寄与したいと考えています。
北川デンタルオフィス
院長 北川俊哉