新型コロナウィルスの影響で日本国中は混乱しております。小中高の学校が休校になり、企業もテレワークにより通勤や出張の自粛、そして、歓送迎会やライブ会場などに参加しないように呼びかけられております。
「濃厚接触」という言葉がメディアでもよく取り上げられるようになり、この状態を避けようという動きが各所で見られます。そして、Yahoo!ニュースなどでは、「歯科医院の5割は感染の懸念される」趣旨の記事が掲載され、このタイミングでの歯科治療を見合わせようと考えている人も少なからずいると思います。
そこで、今回は、感染症に関する歯科医院の取り組みについて紹介します。
歯科治療で新型コロナなどの感染症にかかることはあるのか?
歯科治療は基本的に外科治療です。唾液があふれる中で虫歯を削り、出血しながら歯石を取ることは外科手術なのです。手術室=診察台で行っているのが歯科治療です。外科治療ですから、患者さんも医療スタッフ側も感染のリスクがあります。
私たち医療側がどのような感染予防をルーティンに行っているかを紹介したいと思います。
1990年代までは特定の肝炎ウイルスなどを持った方は隔離して治療を行っていましたが、誰が何に感染しているかは自己申告だけではわかりません。ですので、誰かが特別なのではなく全員に対して区別することなく滅菌消毒しようという考え方に変わりました。
1996年に米国CDCが提唱した、全ての人の「血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物、創傷皮膚、粘膜など」を感染の危険性があるとして滅菌消毒を行う「スタンダードプリコーション」が現在の基本的な考え方です。コロナウイルスに感染した方も、肝炎ウイルスを持った方でも、何も感染していなかったとしても、私たちが行う消毒滅菌作業は変わらないのです。
私たちは患者さんと医療スタッフの安全を守りながら歯科医療を提供しています。
当院では2007年開院以来、スタンダードプリコーションに則り厳密な管理をしています。例えば、お口に入れる器具や歯を削る器械はすべて患者様ごとに滅菌します。
滅菌器もクラスB という高いレベルで器具の隅々まで行っています。お水やエアーをかける器具の先端や唾液や水を吸う吸引器はすべてディスポーザブル(使い捨て)です。消毒滅菌が難しいものもディスポーザブルです。お一人様ずつ診療後は診療台を薬液消毒しています。歯科治療では高速切削器具で歯を削ります。このときの飛沫は広範囲に飛ぶため、十分な吸引と周囲の清掃が必須です。
よくある歯科医院の風景では、薄い板を一枚挟んで隣で治療しており、飛沫が飛んでくるリスクが高くなります。当院は完全個室で診療を行っています。プライバシーの保護と同時に感染の予防の意味合いもあります。
コロナウイルスだから私たちが特別な消毒を行うということはありません。常にB型、C型肝炎ウイルスなど様々な感染のリスクを念頭において、安全な医療を提供できる環境作りに努めています。
過剰な警戒は免疫力を下げる可能性がある。
過剰な不安や緊張からくるストレスは免疫力を下げます。ワイドショーやニュースは不安を煽るように製作されているようです。専門家でない人の意見は意味がありません。自分で不安にさせる情報を集めるのはやめましょう。
スマホから離れる良い機会です。うつむくと心も内向きになります。
画面の中ではなく、自分の目で見る自然は美しく、心が前向きになります。お口の中を清潔に保つこと、よく噛んで栄養を摂ることは免疫力アップにつながります。心と体は一つです、ご自身の健康に留意されてお過ごしください。