歯並びの良し悪しは歯の長持ちと関係するか?
私たちは食事をするときに歯(義歯)を使います。
多くの人がご自身の歯がどのような仕組みで噛み合っているか知らなくとも当たり前のように噛んで食べています。
実は理想的な歯並びを持っている方は少数派で、
なぜなら、
では、質問です。歯並びの良し悪しに関係なく、
歯を失う原因は何が多いか?
日本では80歳で20本以上の歯を残そうという運動があります。(8020ハチマルニイマル運動)この財団が永久歯をうしなう原因を調べています。
「平成30年(2018年)の第2回永久歯の抜歯原因調査」(
歯を失う原因は、
①歯周病(37.1%)
②虫歯(29.2%)
③破折(17.8%)
と続きます。
歯周病と虫歯はいわゆるばい菌が主原因です。
では「破折」はどうでしょうか。これは歯にヒビが入り、
歯並びの良し悪しとは?
歯並びの良し悪しといっても色々な見方がありますので、
矯正歯科の祖であるアングル先生が考案したアングル分類という不
人を横から見たときの歯の前後的位置関係から大きく3つに分類し
Ⅰ級 前後的に正常(乱ぐい歯など)
Ⅱ級 上顎が下顎より前方(いわゆる上の歯が出ている傾向)
Ⅲ級 下顎が上顎より前方(いわゆる受け口傾向)
芸能人で言うならⅡ級は明石家さんまさんでⅢ
力学的にはⅠ級が最も安定しています。
Ⅱ級、Ⅲ
8020運動達成者の歯並びはどうか?
8020運動を達成した方の歯並びを調べた研究があります。
良い咬み合わせで自立したシニアへ-8020推進財団
https://www.8020zaidan.or.jp/
8020達成者の口腔内模型および頭部X線規格写真分析結果につ
https://ci.nii.ac.jp/naid/
東京歯科大学矯正歯科の茂木先生らが千葉市、
地域差がありますが、結論ではⅠ級が40.4%、52.4%
Ⅲ級の方は軽度の不正咬合であり、Ⅱ級の1種である開咬(
歯列は上下左右的に対称。この研究から様々な考察がされています。
お若い時分には一般的に歯科ではまだ過剰とも言える治療も多々あ
その中で歯が20本以上残っているのは、
不正咬合に加わると相乗効果で歯に悪影響を与える癖とは?
上記にあげた不正咬合では前後的にズレがある場合に問題が起きやすいのではないかと推測しましたが、ここに歯ぎしり、噛み締めなどの無意識の癖が加わると力学的なバランスはさらに悪化し、歯の喪失を早めることに繋がります。
まとめ
・歯並びの良し悪しは歯の長持ちと関係する可能性が高い
・虫歯や歯周病の予防、早期治療は前提として大切
・力学的なバランスを悪化させるのは歯ぎしりや噛み締めなどの無意識の癖
・毎日の歯磨きなどのケア、歯医者さんでも定期的なケアも大事
痛みが取れない、虫歯や歯周病が起きやすい方は不正咬合でズレが大きい方、歯ぎしりや噛み締めの癖が強い方などが多いように見受けられます。
大人は歯並びが変わらないわけではなく、口呼吸や舌の癖、猫背巻き肩などの姿勢、噛み癖などで変化します。
一生、自分の歯で食べるためには、可能なら矯正治療による歯並びの改善、出来なくても歯ぎしりや噛み締めからマウスピースなどで歯を守ること、姿勢の維持など取り組めることを増やして継続することが大切と言えます。