歯が痛くないのに、歯医者さんに定期検診に行く理由とは？
虫歯や歯周病の治療が終わって、やっとこれで歯医者さんから卒業出来ると思います。痛くなった時に歯医者さんに行く。これは私が小さい頃の日本の歯科の状況でした。今は、虫歯にならないために歯医者さんに通う、歯周病にならないために、歯周病を進まないように歯医者さんい通う、そんな時代になりました。なぜ、歯が痛くもないのに歯医者さんに通う必要があるのでしょう？
虫歯や歯周病の原因は歯垢
虫歯や歯周病の原因は歯垢というバイ菌の塊です。歯にネバネバと白いものが付いているものが歯垢です。では歯垢はどうやって出来るのでしょうか。
歯垢は食べかすをエサにして細菌が作り出すバイオフィルム
歯と歯の間や歯と歯茎のすき間に食べかすは残りやすく、歯ブラシも届きにくいため、細菌のエサになります。細菌は食べかす（主に砂糖）からネバネバを作り出し、歯にへばりつくように増えていきます。こういう細菌の塊がネバネバを介してくっついていることをバイオフィルムと云います。
虫歯や歯周病は生活習慣病
食べかすを丁寧に取るには歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスという機械的にゴシゴシと取る必要があります。食後すぐに丁寧に歯磨きを行うのは生活習慣ですね。また、砂糖が多く含む食生活では、細菌のエサは増える一方ですし、酸性の飲み物も歯が溶けやすくなります。ダラダラ食べることは歯が溶ける時間を増やし、歯垢がたくさん出来ることになります。歯ぎしりや食いしばりも歯に負担をかけて虫歯の引き金を作ったり歯周病を進みやすい状態にします。虫歯や歯周病は少なからず、生活習慣病と言えるでしょう。
日々の生活で完璧な歯磨きはない
毎日、丁寧に歯ブラシをかけて、歯間ブラシも、デンタルフロスもというのは中々難しいものです。そしてほとんどの方には磨き癖というものがあります。ついつい磨きやすいところばかり磨いてしまい、苦手な所は抜けてしまいます。前歯は磨きやすくても奥歯は難しいですし、歯並びがキレイなら磨きやすいけれど、傾いていたり、ガチャガチャに並んでいると、磨くのも一苦労です。また、毎日の歯磨きや食事の中で歯にはステインと呼ばれる外来性の色素がついたり、目に見えないくらいの無数の細かい傷がついていきます。
定期的なプロフェッショナルクリーニングが必要
そこで、３～４か月に1度の割合で定期検診＝メインテナンスが必要になります。手の届きにくい、いつも食べかすが残り、歯垢が出来て歯が溶かされている所や、毒で歯茎が腫れているところを洗浄していきます。専用の機械と薬剤でなるべく歯を傷つけずに歯垢や歯石、ステインを取り除き、細菌を洗い流して、歯の傷を薬剤でトリートメントすることで歯をキレイにしながら強くしていきます。
通販の機械で自分でクリーニングしてはいけないのか？
見えやすい所でしたら、使っていただいて構いませんが、磨き残しが出て問題になるのは、ご自身で手の届きにくい場所です。そして、使う薬剤によっては研磨効果が違います。私たちは数種類の研磨薬剤を歯によって使い分けることで歯を守っています。研磨剤が粗くて削れ過ぎれば、知覚過敏の原因になったり、傷が粗くなることでさらにステインや歯垢が付きやすくなってしまいます。重曹を使うことがネットで紹介されましたが、歯の傷の問題と、歯を強くする効果はありませんのでご理解ください。
拡大鏡や顕微鏡を使う歯医者さんや衛生士さんが良い
上記にあるように、歯を傷つけないように、そして手が届きにくい場所をキレイにするのがプロの仕事です。ということは、拡大しないと見えない傷だったり、手が届きにくい、見えにくい場所の歯垢や歯石、ステインを確実に取る必要があります。残念ながら裸眼では無理です。強拡大の拡大鏡や顕微鏡を使わないと、見えないからです。拡大して治療を行うと、痛みも少なく、当院では大半の患者さんが診療中にお休みになります。
まとめ
・虫歯や歯周病の原因は歯垢
・歯垢は食べかすをエサにして細菌が作り出すバイオフィルム
・虫歯や歯周病は生活習慣病
・日々の生活で完璧な歯磨きはない
・定期的なプロフェッショナルクリーニングが必要
・通販の機械で自分でクリーニングは条件付き
・拡大鏡や顕微鏡を使う歯医者さんや衛生士さんを選ぶこと