症状
歯が痛くて眠れない、強く噛めない(50代男性)
紹介している事例と同様の治療の効果には個人差があります。症状は、口内の診査を行ったのちに判断しますので、同じ治療計画や費用になるとは限りません。治療に関する具体的なリスクに関しては、当院における歯科治療に関する注意事項をご確認お願いします。
来院の経緯
「昨夜、右の歯が痛み、朝方まで眠れなかった。」「2~3年前から右はものが挟まり、痛みもあり、強く噛めていなかった。」ことから来院に至りました。ご来院した時点で寝不足と痛みで憔悴した表情でした。
行った治療
通常、初診では緊急性がない限り治療は行いませんが、今回は応急処置を行うことを提案しました。当院では初診で60分いただいていますので、緊急の場合でも対応できます。
お口の診査とX線を撮影、「虫歯はC3、急性の歯髄炎」と診断しました。
*虫歯の進行度はCの1~4で表します。C3は虫歯が歯の内部の神経=歯髄に達している状態です。)
虫歯に関しては、虫歯の写真で見る症状とその治療法に示しております。
急性の歯髄炎では、歯の内部にある歯髄が血液で膨れ上がっています。歯は硬いので、歯髄は腫れようとしても周りの歯が硬いため腫れることができません。腫れたいのに腫れることができない、だから歯の痛みは特別大きいものになります。ドクンドクンという脈を打ったような強い痛みが断続的にやってきます。
治療は歯髄を取ることになります。麻酔をして、しっかりと痺れさせます。まずは虫歯を取ります。これはとても大事なことです。虫歯を残したまま歯髄を取ると、歯髄が取り除かれた後の根の管の内部に虫歯菌がどんどん落ちてしまいます。根の内部は可及的にいかなる菌も入らないに越した事はありません。
虫歯を取り終えたら、ラバーダム防湿をして神経を取り除きます。神経を取って、根の内部に歯髄のカスや虫歯菌が入らないように徹底的に洗浄を行います。洗浄、消毒が終わったら、歯髄の代わりの材料で根の管の内部を埋めて根の治療は終了します。
一般的に、根の治療は通院回数が多い割には1回の時間が短く、「いつ治るか分からない」「1本の歯に時間がかかるので、他の虫歯がすすんでしまう」という声をお聞きします。今回は2回の通院で根の治療は終えています。
治療前の結果と治療後の結果では、上記のようになり、神経の入っていた縦に細長い黒い部分が白く映る代わりの材料で隙間なく満たされているのがわかります。
根の中にグラスファイバーと強化樹脂で柱を立てて根と歯の頭の部分を一体化させます。
治療中は常にプラスティック製の仮歯が入っていますので、ガムやキャンディなどを避けて過ごして頂きます。歯の形を成形し、型採り、人工のセラミック製の歯を作ってセットして、一連の治療は終了になります。