ホワイトニングを実施し、歯を白くしたい方向けにホワイトニングに関するご説明をさせていただきます。
ホワイトニングの情報もインターネットにたくさん載っているけれど、何が正しいのかわからない。
自宅でできるって言われているけれど、本当にできるのか?
実は単純に薬剤で白くするだけではないのホワイトニングです。
このコンテンツは、事実誤認が少ないようにわざと難しめに編集しております。
実際に当院に通院される方で、ホワイトニングをご希望の方には、時間をかけてわかるようにご説明をいたします。
ホワイトニングとは?
ホワイトニングは歯を削らずに歯を白くする治療です。
ここで扱うホワイトニング治療は専用薬剤で歯の内部の色素を漂白する治療について解説します。
ホワイトニングの仕組みとは?
歯の表面にはエナメル質と呼ばれる透明に近い組織があります。エナメル質の下には象牙質と呼ばれる象牙色=クリーム色をした組織があります。
エナメル質は経年的に色素が内部に染み込んでいきます。歯の表面から薬剤を塗って染み込んだ色素を“漂白”するのがホワイトニングの仕組みです。
一方、象牙質はエナメル質の下に隠れており、神経(歯髄)を含んだ組織でホワイトニングの薬剤によって知覚過敏が出やすく、ホワイトニング効果も限られたものです。
ホワイトニングを実施する前に行う必要があることとは?
歯のクリーニング
歯の表面には歯垢・歯石や外来性のステイン(色素沈着)が付いています。
定期的にクリーニング(PMTCなど)を受けていない場合は、歯の隙間などにま歯垢・歯石やステインが付着しています。ホワイトニングを行う前に現時点での色の評価を行う上で汚れをすべて取り切ることはホワイトニングを行う前提条件です。
虫歯の治療
虫歯があることは2つの問題です。
1つ目はホワイトニングの薬剤が虫歯の内部に染み込むことで痛みが出ること2つ目は色の評価です。
歯と歯の間の古い虫歯の治療跡は変色をしていることがありますし、虫歯の黒色や虫歯のなりかけの茶色なども正しい色の評価の妨げになります。ホワイトニングの前に虫歯の治療を済ませておくべきです。
ホワイトニング前の色の評価
ホワイトニングを行う前に歯のクリーニングと虫歯の治療を実施した上で、歯の色の評価を行います。歯の色見本がありますので、これを歯に近づけて写真で記録を撮るのが一般的です。専用の色を評価する器械もあります。色の評価は主観的な部分があります。
特にホワイトニングは患者さんの希望の色になるかは予測がつきにくい治療です。色見本の基準に対しての評価を行うことで客観的な評価ができます。
ホワイトニングを行うにあたっての注意事項
知覚過敏がでたら中止する
歯科医院でのホワイトニングでも自宅でのホワイトニングでも知覚過敏がでたら、すぐ中止します。
特に歯科医院でのホワイトニングは強い薬剤に光エネルギーを当てて活性化しますので、神経(歯髄)にダメージが出やすいものです。痛みが取れずに結局神経を取らなくてはならなくなるケースもあります。神経を取ったら歯は変色してしまいます。美しさを求めるあまり、大切な組織を失ってしまっては元も子もありません。
ホワイトニングは必要以上に行う必要はありません
ホワイトニングをして歯が白くなったら、これを維持したいと思う気持ちは自然なことです。ただし、ホワイトニングは歯の内部に長年に亘って染み込んだ色素を漂白する治療です。20代の方の歯にはそれほど色素沈着はありません。そして、一度漂白を行った場合は、強いホワイトニングは必要ありません。数ヶ月ごとに歯のクリーニングとマイルドなホワイトニングで十分維持できます。ホワイトニングは自費治療ですので、不必要なホワイトニングを「白さを維持するために必要」と言って継続している例があるようです。
歯は乾燥すると色が白くなる
不必要なホワイトニングを受けても、直後は歯が白くなっています。これは、歯は乾燥すると白濁するからです。唾液などの水分に全体を守られて正常な歯の色です。ホワイトニング治療直後の色は白濁していることも多く、実際の色は翌日に自然光(外の光)で確認しましょう。
ホワイトニングの直後はなるべく歯に色が付きやすいものは避けましょう(コーヒーは赤ワインなど)また、お酢や柑橘系の果物は酸性が高く、ホワイトニング中は知覚過敏を強くさせてしまう恐れがあります。ホワイトニング中は控えめにしてください。
ホワイト二ングを実施するメリットは?
ホワイトニング治療が確立する以前は、歯を白くするには削って被せるしかありませんでした。
歯を削らずに白くすることができる事がホワイトニングの最大のメリットです。
自宅でできるホワイトニングとは?
結論からいうと、自宅でできるホワイトニングは、どこまで効果があるのか、身体に害がないのか評価できないのが現状です。
ホワイトニングは薬剤を歯に塗って、歯の色素を抜く漂白です。お口の中は唾液があり、薬を塗っても流れてしまいます。そこで柔らかいシリコンゴムで薬剤を注入できるマウスピースを使用します。
歯科医院で型取りを行い、できたマウスピースに薬剤を注入して口内にはめます。数時間で薬剤は終了、よく洗口します。薬剤を使用した後は知覚過敏が出やすいので、歯をコーティングするような専用の歯磨剤を歯に刷り込みます。
通常は最低でも2週間以上続けて行うことになります。どの程度で効果が現れるかや、どの程度で希望の白さになるかは個人差があります。
マイルドな薬剤で時間をかけて色を抜いていきますので、自然でキレイな仕上がりになります。
髪などと一緒にするのはちょっと違う気もしますが、自分でやるのとサロンでやるのでは、髪や頭皮へのダメージが違います。歯も同じことが言えると思います。
歯の白さを守るためには、美白の歯磨き粉を選ぶのが良いのか?
美白を謳う歯磨き粉は現在市場に溢れかえっており、選択が難しいのではないでしょうか。
一般的に美白用でなくとも、歯は十分にキレイになります。
歯の白さを守るためにの歯磨剤の選択の基準ですが、まずは2種類の歯磨剤があります。
研磨剤とフッ素を含有、白さを守るためには汚れを浮き上がらせる効果がある歯磨剤
ここで大切なことは安い歯磨き粉はNGです。研磨剤が粗く、汚れが取れますが、歯を傷つけます。傷がつけば、汚れは付きやすくなり、歯も削れますし悪循環です。市販の数百円で購入できるものをほとんどがこのレベルです。1,000~2,000円の歯磨剤は研磨剤がナノ粒子になっているものが多く、歯を傷つけずに汚れを撮ることができます。GCルシェロなど。
研磨剤無配合で、歯の白さを守ることに主眼を置いたもの
リナメル、アパガードなど→歯の成分ハイドロキシアパタイトをナノサイズにして、歯のミクロの傷を埋めるトリートメント効果で白さを引き立たせます。
ホワイトニング効果中心のものはポリリン酸など汚れを浮き上がらせる効果があります。
研磨剤は歯に悪いから、と言ってこのタイプのものしか使わない方がいますが、研磨剤が完全にない場合は歯の汚れがキレイに取れていないことの方が多く、歯垢が歯にべったり付いた上から、トリートメントや汚れを浮き上がらせようとしても全く意味がありません。シャンプーをしないでリンスだけしているようなものです。必ず、ナノサイズの研磨剤配合歯磨剤で汚れを落としてから使います。
ホワイト二ングは、専門歯科で実施すべきなのか?メリットとデメリット
ホワイトニング専門医院は器具や薬剤が豊富ですから、ホワイトニングのみで問題ない方にとっては歯科医院特有の臭いや音もなく、快適にホワイトニング治療を受けられるでしょう。
一方、虫歯治療や歯周病治療を行わないため、虫歯があるまま、ホワイトニングを続けていたり、必要は治療が放置されたままのケースを散見します。
虫歯治療や矯正治療の知識が乏しいスタッフがホワイトニングのみを機械的に行う場合は「歯の白さ」にしか興味がなくなります。
ところが、歯の白さというのは、もっと大きな視点で診る必要もあります。例えば歯並びが悪くて歯と歯が段差になっており影ができるとどんなに歯が白くても、口を開ければ黒い影が目立ちます。歯並びや噛み合わせ、スマイルラインと歯の調和、などは歯を修復する治療(虫歯治療、審美的な治療)と矯正治療の治療を持ち合わせた歯科医院が望ましいと考えます。
ホワイトニングの適正な価格はどの程度なのか?
現在は数千円から1~2万円が主流ではないかと思いますが、その歯科医院によって費用のカウントの方法が異なります。時間制や歯の本数、セット価格など。金額だけで選ぶよりも、前述した虫歯への対応やスマイルの評価など、親身にアドバイスをもらえる歯科医院が良いとも考えます。
コンテンツ編集
北川デンタルオフィス 院長 北川俊哉
1996年 東京歯科大学卒業、藤本歯科医院で藤本順平先生に師事、藤本研修会スタッフ兼インストラクター、近藤歯科医院に勤務
2007 年 北川デンタルオフィス開院
保険を扱わない開業医。 他院で治らない、診てもらえない方の難治性の痛みや 歯科恐怖症、口臭治療、歯ぎしり食いしばりの治療などに積極的に心理療法を取り入れている。